大学卒業から単位計算をすることの大事さについて

日本の大学同様、アメリカの大学においても、短大(2年で60−70単位)と4年制大学(4年で120−130単位)で、それぞれ卒業単位からの逆算して授業登録を進めていくことは非常に重要です。(*短大で取得した単位は、4年制大学へそのまま移行できます。単位数は、州内であればほぼ全部移行でき、その他の州の大学へ編入する場合は、一部の単位を取り直すこともあります。)

なぜなら、大学野球をすることにより、練習や試合が授業と重なり、卒業に必要なクラスをスムーズに取得できないなどのトラブルも想定されるからです。

今回は、計画を立てていくための重要性について詳しく解説します。

逆算したスケジュール管理が重要な理由

早めに卒業までに必要な単位を確保し、同時にスポーツ活動をバランスよく組み入れるためには計画をしっかり立てることが求められます。

編入する場合は、短大で取得した単位を4年制大学へ移行することができます。編入単位として受け入れられた単位の合計から、あと何単位取得したら大学を卒業できるかを計算して、スケジュールを組むことが大事です。

ここではスケジュール管理が重要な下記4つの理由をそれぞれ解説していきます。

  1. 野球と学業のバランス
  2. 大学野球シーズンの出場資格の確保
  3. 学業に対する返済不要の奨学金を得るため
  4. 将来の機会の確保

野球と学業のバランス

アメリカの大学野球選手は、スポーツのトレーニングや試合に多くの時間を費やす必要があります。しかし、同時に学業もとても大事になります。卒業単位から逆算を行うことで、学業とスポーツを調和させるスケジュールを立てることができます。春学期の野球のシーズンにクラス数を少なめにしたり、簡単なクラスにしたり、一方で秋学期は多めに授業を取るなど、両方の分野で成功するための戦略を自分で調整していきます。

大学野球シーズンの出場資格の確保

 大学スポーツにおいて、選手は一定の単位を修得しておかなければシーズンを戦えないと全米の大学スポーツルールで決まっています。つまり秋学期に活躍してレギュラーを取れても、単位数と一定の成績をとれないと、大学野球のシーズンへの出場資格を失う可能性があるということです。卒業単位からの逆算を行うことで、選手はこれらの要件を満たすために必要なクラスを計画でき、シーズンでの過ごし方も変わってきます。

学業に対する返済不要の奨学金を得るため

大学野球選手は、スポーツの成績だけでなく、学業の成績も大事です。特に、多くの奨学金獲得を目指すのであればなおさらです。短大から4年制大学へ野球で編入するのに、コーチからの奨学金のオファーの多くは、『野球+勉強』で奨学金が与えられるケースが多いです。

例えば、直近の4年制大学の野球部コーチからのオファーで、学生への300万の年間の費用(授業料と生活費)でかかるとした際に、野球で50%の150万、短大の勉強のGPA成績で3.5を残していたことで、20%の60万で、合計で210万で来てほしいというオファーがありました。

少しでも費用を浮かせたいのであれば、短大の卒業資格を取り、編入を迎える準備をした方が野球と勉強の両方の奨学金を取得することができます。1年伸びるだけで、1年分の大きな費用がかかってくるので、カウンセラーとも話しながら、この計算をするのがおすすめです。4年制大学では、野球を終えた後でも卒業するまで奨学金を付与してくれるケースもありますので、コーチと相談することが求められます。

将来の機会の確保

アメリカの大学野球は、メジャーリーグを目指す選手にとって重要なプラットフォームです。しかし、プロ野球選手として成功する可能性は限られています。したがって、卒業単位をしっかり取得し、大学学位を持つことは、将来の仕事の可能性を広げるために重要です。

目指したプロになれなかったとしても、野球と勉強を両立しながら、アメリカの大学卒業で学位を得ている人材、英語も読み書きに加え、当たり前にコミュニケーションが取れる人材、そして今までの常識が通用しない中で頑張ってきたという経験を持ったタフな人材を、大手国内企業や外資企業は必要としています。

まとめ

卒業単位からの逆算は学業とスポーツのバランスを取り、将来の成功に向けた基盤を築くために不可欠なツールです。

計画的なスケジュール作成は、選手の全体的な成長と将来のキャリアに対する計画として非常に重要です。留学してから、大学卒業までの計画をたて、自分の人生を目標から逆算する形で進み、自分からほしい結果や環境を得てほしいと思います。

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