【留学前の英語】英単語帳すら持っていなかったところから、TOEFL1回目で47点を取った目標からの逆算英語勉強法

私は、1回目のTOEFLで目標としていた45点を超えることができました。その背景には『目標からの逆算』という考え方があります。これから野球留学しようと考えている他の学生たちへ、自分の英語の勉強方法や取り組み方をお伝えして、少しでも役に立ててもらいたいと思います。

私は、岐阜県にある工業高校に通っていました。工業高校ということもあり、英語の授業は、中学レベルに近い内容で、単語帳すらありませんでした。そんな中、高校3年生の7月にアメリカの大学へ野球留学を決意し、10月から英語の勉強を始めました。英語が苦手だったため、中学レベルの文法や単語からやり直しました。また、岡野さんが岐阜に来てくださったときにいただいた単語帳もやり始め、少しずつ英語に慣れることからスタートさせ、できることを一つずつ増やしていきました。

ここからは、具体的にどんなことを意識していったかと英語の勉強の進め方についてお伝えしていきたいと思います。

■目標を決めて、そこに向けてやることと時間を見直す
年明けの高校3年生の1月までは高校に通う必要があり、2月から千葉にあるシェアハウスに入居する予定だったため、それまでに今やらないといけないことをできるようにするという目標を立てました。そこで、その目標を達成するために、毎日どれだけの量を、どのくらいの時間でこなす必要があるかを計画し、実践に移しました。そして、千葉に来るまでに自分の立てた目標を達成することができました。

千葉に来てからも、その考え方は変わりませんでした。私は3月22日にTOEFL1回目を受験することを決めました。そのために、まず、その日から逆算して、一日に覚える単語数や勉強しなければいけない時間などをすべて計算し、カレンダーや24時間の円グラフを使って、分単位でスケジュールを立てました。

■中学レベルからの英語勉強方法
単語の勉強では、声が枯れるほど何千回も繰り返し発音し、五感を使って記憶に定着させました。書くのは時間がかかるので、声に出して発音をしながら繰り返す量が大事です。また、英文法は、ただ暗記するのではなく、自分で実際に身近なところから例文を作り、それを実際にすぐに使いこなせるようになるまで繰り返す練習をしました。ここで大事なのは、「繰り返す量と時間」です。空き時間を見つけ、朝、昼、夜に1時間ほど作り、そこで、何度も繰り返します。慣れてくると、覚えるスピードも早くなってきます。

■スピーキング
スピーキングでは、自分の意見を瞬時に英語で話す能力が必要だったため、日頃から感じたことや考えたことを英語で独り言のように話す習慣をつけました。これにより、瞬時に英語で考え、表現する力が養われました。自分の意見を持つには、自分の興味があるちょっとしたことでも日本語でいいので、意見とその理由を言うことをしていきます。それから、身につけた単語や文法を使っていくことで、実際に使える英語が身についていきます。ここでも、音読を何度もすることが大事です。

■ライティング
ライティングでは、TOEFLや実際の大学でも素早く正確にタイピングすることが求められます。なので、素早く正確にタイピングができるように練習しつつ、文の構成、論理性、文法の正確さに注意を払い、文章作成力を強化しました。また、限られた時間内で自分の意見を簡潔にまとめる能力も養いました。これは上のスピーキングでやってきたことをそのまま活かすことができます。例えば、スピーキングで書いた英文の内容などをそのままタイピングすることもいいと思います。

■リーディング
リーディングは、スピーキングやライティングの英文を読む練習からスタートして、実際のTOEFLのリーディングへ進んだことで、TOEFLの大学の授業形式の英文に多少は慣れた感じがしました。しかし、実際のTOEFLのリーディングの問題は内容も難しく、時間を限られた中で答えを出さないといけません。

私は、まず本番形式で一度リーディングの問題を解き、自分がどれだけ理解しているか、自分の実力はどうかを確認します。その後は、英文を丁寧に訳し、完全に意味を理解するまで何度も読み直しました。設問と照らし合わせながら、「なぜその答えになるのか」を納得できるまで徹底的に分析しました。ここでは、文章を訳して、内容や答えとなる理由をわかりやすく日本語でいいので説明ができるかが大事です。

■リスニング
リスニングも、TOEFLでは4−5分ほどの英文を聞いてから5問ほどの問題に答えるというテスト形式です。長い英文で、内容が途中でわからなくなることもあり、正直大変でした。リスニングが一番大変でした。

私は、リスニングで大事なことは、まずテスト形式でやってみて、その後だと思います。まずは、リスニングの英文全体を訳して内容を完全に把握した後、「シャドーイング」を繰り返しました。意味を理解しながら音読し、音声をスピードを変えながら、追いつけない部分は0.75倍速で聴き、最終的には1.25倍速で意味を理解しながら正確に再現できるまで練習しました。ここで大事なのは、内容を理解した英文のリスニングを何度も声に出して、シャドーイングをすることで、確実にリスニングの力をつけることができます。

■英語を通して身につけられること
かなりハードなスケジュールだったため、そこから逃げ出したくなる弱い自分もいました。それでも、理想の自分になるため、弱い自分と決別するために毎日小さな勝負に勝ち続けました。その結果、私は3月22日の1回目の試験で目標点数を超え、47点を取ることができました。

 この『目標からの逆算』という考え方は、勉強だけでなく、野球や人生にも通じるものだと思います。例えば、私は高校3年間、メンバーに入ったことはありませんでしたが、誰よりも練習をしていたという自信はあります。それでも結果が出なかったのは、努力の方向性を間違えていたからです。私は「〇〇〇㎞/h投げたい」という目標だけを掲げ、それを達成するための逆算が全くできていませんでした。だから私は、ただがむしゃらに練習しているだけでした。

 もし、このときの私に『目標からの逆算』という考え方ができていれば、結果は変わっていたかもしれません。「努力は嘘をつかない」という言葉がありますが、方向性を間違えた努力は平気で嘘をつきます。その努力の方向性を間違えないために、『目標からの逆算』という考え方はとても大切です。

岐阜県関市立関商工高等学校
西側 鷹利

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