MLB球団インターン体験談 武本あかねさん
今回はMLB球団のインターンを経験した京都大学3年生 武本あかねさんのインタビューをお送りします。
参加しようと思ったきっかけ
私にとって最後になりうる長期休み、旅行というただ楽しむだけの海外渡航よりは何かのプログラムに参加し、私の今後の指針を決めるようなことを体験したいと考えていた矢先、野球場でのインターンシッププログラムを見つけました。アメリカのプロ野球。野球観戦が好きな私にとって、飛び込まない理由がありませんでした。
インターンの内容
スタッフとの関係構築の仕方
現地に到着した翌日の朝、まずは球場運営のスタッフミーティングに参加しました。とりわけリスニングに自信があった私でしたが、ネイティブの発音が全く聞き取れなくて絶望したのを覚えています。そしてスタッフ全員の名前を覚えられないことに焦りも感じていました。
相手は私のことを覚えているのだから、聞き馴染みのない名前だからといって適当に流すなんてできません。そこで、名前と顔を一致させるために空き時間にスタッフとツーショットを撮り、名前を写真に書いてもらうことにしました。「泥臭くやっていこうじゃないか」そう心に決め、ひたすらに写真を撮り覚えることに徹しました。その結果、、2日目にはスタッフの顔と名前が一致するようになりました。
特に印象的だったアメリカ野球のエンタメ性
今回のプログラムではプロモーションやゲートスタッフを主に経験させていただきました。そこで感じたのは、アメリカは「野球ビジネス」という点では日本よりももっとエンタメ化されているということ。特にイニング間のエンタメが非常に充実していました。
私は主に甲子園で阪神戦を観戦しますが、日本のプロ野球の中でも甲子園での阪神戦は特に、球場の演出やエンタメが充実していると勝手に思い込んでいました。しかし、アメリカの充実さは想像以上でした。
マイナーリーグでさえ、球場でのエンタメがいくつも散りばめられており、試合中はフルーツの着ぐるみを着た人が競走し、ダグアウト付近からアイストスがあり、テレビ席からはチーム名入りのボールトスがあります。家電のプレゼント企画もありました。さらには試合前に家族でキャッチボールをすることができる日もあれば、飼い犬を連れて球場に入れる日、球場のホットドッグが安く手に入る日も。日本ではまず考えられない様子がそこにはありました。
さらに驚いたのが、キャラクターとのコラボデーです。キャラクターとのコラボは日本のプロ野球にだってあります。この日はスターウォーズとのコラボだったので、選手はその日限りのダースベイダーが描かれたユニフォームで登場しました。驚いたのは、そのユニフォームが試合後にオークションで落札した人にそのまま譲られることを知ったときです。試合後そのままなので、洗わずに。大胆な方法ではありますが商売という観点からすれば、クリーニング代も送料もかからず落札者に渡せるので、とても効率的だと感じました。
最後に
私は野球好きの血が騒ぎ、つい試合を観てしまうので野球場で働くのは向いていないのかなと感じていました。それでもクリエイティブなことに携わることが好きだということと、改めて野球が好きだということがこのインターンを通じて認識できました。英語のリスニングとスピーキングを鍛えないといけないということは百も承知ですが、現地の方複数名から褒めていただいたので、これまでの努力は無駄ではなかったということも実感できた有意義な体験でした。
このプログラムを通して、日本とアメリカとのたくさんの違いを充分過ぎるほど肌で感じることができました。無意識のアジア人差別も多少は残っている昨今ですが、この経験から、海外に出たい海外を知りたいという思いがより強くなり、もっと異国に対する知見を深めたいと強く感じました。
京都大学 3年
武本あかね