短大から4年制大学へ野球で編入するときに求められること
留学している学生は、短大からスタートをし、2−3年後には、4年制大学へ編入することになります。短大から4年制大学へ野球で編入する際には、気をつけておかなければならない条件があるので、必ず抑えておきましょう。
せっかく頑張ったのに、条件をクリアできず、希望する大学へ編入できないということもあるので注意が必要です。
一つずつ解説をしていきます。
4年制大学のコーチから入部許可と奨学金の獲得
まずは、編入先大学の野球部のコーチから編入許可をもらう必要があります。そのためには編入先大学の野球部がどのような成績やスキルを求めているかを知っておきましょう。編入先大学のウェブサイトや野球部のウェブサイトで情報を確認してください。
また、オファーを取るには、下記の2つの方法があります。
- シーズンで結果を残し、4年制大学のコーチの方からオファーをもらう。
- 自分から4年制大学のコーチへ連絡をして、オファーをもらう。
オファーをもらうためには、できれば両方をやっておくのがおすすめです。その際に、短大での野球の成績(HP上に記録が残ります)と試合で活躍している動画が必要となります。この2つをもとに自分からアピールすることで、編入先の候補を増やすことができますよ。
オファーをもらった大学のHPには必ず条件や費用や立地、野球部の情報は全て載っていますので、必ず確認してください。コーチ次第ですが、最初から返済不要の奨学金のオファーを出される場合もあるので、年間で授業料と食費、住むところの費用を含めて、合計で何%の奨学金が付与され、いくら払う必要があるのかを調べておきましょう。
短大での野球の成績
編入において、コーチ陣が見ているのが、短大での野球の成績です。そのため、野球技術を磨いて、「個人の能力をあげること」を意識しましょう。野球のスキルを磨くために、積極的にコーチや指導者からアドバイスをもらい、練習に励んでください。
たとえ日本で無名でも、短大のシーズンで活躍し、成績を残すことができれば、NCAAの1部や2部、NAIAの4年制大学野球のコーチから多額の返済不要の奨学金を獲得できます。私はそのような選手を毎年多くサポートしてきました。日本では無名でも、成績を残すために自分の能力をあげ、成績を残すことが何より求められます。
短大での勉強の成績
4年制大学の野球部に入部するためには、高い学業成績を残すことも重要です。
野球で成績を残していれば、多くの奨学金を獲得できますが、勉強面でも3.0以上の成績を残していれば、返済不要の奨学金を獲得できる可能性があります。お金を心配するのであれば、短大で卒業するための授業単位をとり、その平均成績を3.0以上を残すことを当たり前にしておきましょう。
自ら4年制大学のコーチへ連絡をする
編入先大学の野球部にコンタクトを取り、興味を示すことが重要です。その際に、野球部のコーチや指導者に自己紹介をし、自分がどのような野球選手であるか、そしてなぜその野球部に入りたいのかをしっかり伝えることも重要です。
大学のHPへ行けばコーチの連絡先として電話番号やメールアドレスが載っています。そこから電話やメールをしてもよいですし、現在ではSNSでも情報を発信しているコーチ陣もいるので、そこから直接連絡をするのもおすすめです。その際に、丁寧に文章を書いて連絡しましょう。上記でお伝えしたように、この時に野球の成績と動画があれば、話は進めやすくなります。
「自分を伝える」対策をする
編入先のコーチ陣と電話やZoomでやりとり開始すると、なぜ編入を希望するのか、どのような野球選手であるか、将来の目標などについて求められます。実際は、そこまで長くなくても問題ないですが、英語でまとめて、電話やZoomで会話する際にスムーズに出るように練習しておいた方が、コーチ陣に受ける印象が全く変わります。
NCAAやNAIAの編入条件を知っておく
NCAAやNAIAには、短大から4年制大学に編入するための具体的な条件があります。
以下に、一般的な編入資格の要件をいくつか挙げます。
- 必要単位数
必要な単位数 編入資格を得るためには、必要な単位数を取得する必要があります。具体的には、英語、数学、自然科学、社会科学などの科目を含む60単位以上=短大の卒業資格を取得する必要があります。NCAA1部と2部では、必要単位数が異なります。 - GPA(成績ポイント平均)
GPA(成績ポイント平均) 編入資格を得るためには、一般的に2年間の短大生活でGPAを維持する必要があります。大学によっては、必要なGPAが異なる場合がありますが、3.0以上を維持することが一般的です。3.0以上をキープしていれば、勉強面の返済不要の奨学金も加味されるので、良いGPAを残すことは当たり前にしておいてください。ただし、合計の成績が良くても、卒業単位のクラスでCやDという成績があれば編入は認められないので、日々の授業でB以上の成績となるようにしましょう。NCAA1部と2部では、最低必要となる単位数が異なります。
- 編入先大学の要件
編入先大学によって、必要な単位数やGPAの要件が異なる場合があります。編入先大学のウェブサイトやアドミッションオフィスにお問い合わせいただくことをお勧めします。短大の卒業資格を取得しておけば問題はありません。 - SATまたはACTのスコア(場合による)
NCAAでは、単位数が足りない場合に編入資格を得るためにSATまたはACTのスコアを提出する必要があります。編入先大学によって、必要なスコアが異なる場合がありますが、一般的には1000点以上のSATスコアまたは21以上のACTスコアが必要です。*ちなみに、1年目からNCAAの大学に入学する場合は必須です。
1年目からNCAAのような4年制大学を目指さない理由としては、TOEFLの英語の試験に加え、SATやACTの勉強をする必要があるからです。SATやACTは、短大で1年間、卒業に必要な必要単位数をとっていれば、編入の際には必要ありません。
- 編入後の参加制限
NCAAには、編入後に参加できる大会についての規定があります。条件を完璧にクリアできなかった場合、編入後1年間は参加できる試合が制限される場合があります。
また、選手の転校や競技資格に関する規定もあります。この場合、奨学金が付与されなかったり、練習に参加できないケースもあります。
これらは一般的な条件であり、編入先大学や競技によっては、追加の条件がある場合もあります。編入を希望する場合は、NCAAのウェブサイトや編入先大学のアドミッションオフィスに問い合わせましょう。
まとめ
アメリカの短大から4年制大学に野球で編入するためには、編入先大学の野球部の要件を確認し、野球技術を磨きながら学業成績を保つ必要があります。また、編入先大学の野球部にコンタクトを取っていくことも大切です。
一見面倒に見えたり、高い壁のように見えますが、そんなことはありません。短大で野球の成績を残すこと、勉強面ではGPAを3.0以上をキープすること、そして2-3年で短大の卒業資格を取得すれば、全く問題ありません。日本でたとえ無名でも、大学で文武で成績を残すことができれば、NCAAの1部のようなMLBのドラフト候補が集まるレベルでプレーすることも可能になります。
条件を抑えた上で、今やれることを頑張ってほしいと思います。