MLBに行きたいのであれば、NCAAの1部を目指すべき

MLBに行きたい場合、NCAAの1部の大学野球に所属し野球に所属し、プレーすることが近道の一つだと考えています。

本記事ではNCAA1部の大学を目指すべき理由や求められる野球の能力について解説します。

NCAAを目指すべき理由

NCAA 1部の大学野球レベルは、アメリカ人を中心にトップレベルの高校や短大の選手たちが、MLBドラフトで選ばれることを目指してプレーする場所です。NCAAはアメリカの最高峰のアマチュア野球リーグで、トップクラスの才能とプロに匹敵する、もしくはそれ以上の環境が揃っています。そのため、MLBに行きたい場合はNCAAの1部の大学野球に所属し、プレーするのがよいでしょう。

NCAA Division Iの大学野球に進むためには、優れた野球技術と才能に加え、勉強面の成績を持っていることが必須です。TOEFLと高校の成績、残高証明、SAT /ACTといった大学進学に必要な条件をクリアし、NCAAに選手登録をするのに決められた要件を同時に満たしていることも重要になってきます。

また、MLBに進むには選手としての能力だけでなく、環境や機会、運も重要な要素となります。

NCAAの選手がMLBドラフトで指名される割合

2021年のMLBドラフトで指名された選手のうち、NCAA 1部の大学野球でプレーしていた選手の数を実例とともに紹介します。

MLBドラフトの割合は、67%が大学出身者で、33%が高校卒業の学生で占められています。その67%のうち、1部でプレーした選手のドラフトの割合は、80%とかなり高い率を占めています。

また、全体指名数1位から10位までの選手のうち、9人がNCAA 1部でプレーしていました。11位から20位までの選手の中では、14人がNCAA 1部でプレーしています。

NCAA 1部の大学での成功が、MLBドラフトでの高い指名数につながっていることが分かります。

NCAAの1部で活躍することがなぜ近道なのか?

NCAAで活躍することが、なぜMLBドラフトで選ばれるための近道となるのかを解説します。

高水準の競技環境

 NCAA Division 1部リーグの野球は、アマチュア野球の中でも最高峰のリーグの一つであり、高いレベルのプレーが期待されます。部員数は1−4年生の30−40名ほどの少人数で、高校時代にMLBドラフト候補や、州を代表する活躍をした選手なども多く在籍しているのが特徴です。また、コーチ陣も元々MLBでプレーしていた方も多く、野球の技術や戦術をさらに向上させることができます。

グラウンドやトレーニング施設もプロ並みで、フロリダ大学の野球部の施設を10億以上のお金をかけて改装したという記事も出ているくらいです。専属のトレーナーが付き、怪我やリハビリ、筋力トレーニングなど一人一人に適したメニューが組まれます。NCAAは個人能力を高めるには最高の環境ではあります。

プロスカウトの注目度合いが違う

NCAA Division 1部リーグの野球では、MLBドラフトで指名される選手の多くが通過するステージです。選手の能力も非常に高く、高校時代から名前が知られているケースも多くあります。そのため、MLBスカウトの多くが練習や試合を見にきて、選手たちのプレーをいつも評価しています。

たとえ無名であっても、その環境で活躍をすれば、MLBドラフトの候補として名をあげてきた日本人選手もいます。MLBスカウトから注目されることで、将来的にMLBのチームに入団する機会を広げられるでしょう。
また、最近では日本のプロ野球球団からも声がかかるケースもあるので、MLBだけではなくなっているのも事実です。

大学生活の充実

NCAA Division 1部リーグのキャンパスは、州や全米を代表する規模の大きな大学が多くあります。大学の規模だけで言えば、世界ランキングで上位に入っている大学もあるくらいです。


大学生活は、野球以外にも多くの経験や学びを得られる貴重な時間でもあります。自分の専攻する分野の授業を受けたり、野球部のチームメイトや応援してくれる友達などを通じて、将来の人生に役立つスキルや知識を身につけることもできます。

プロに必要なスキルの習得

MLBでプレーするには、単なる野球技術だけでなく、コミュニケーション能力やチームワーク、精神面の強さなども必要です。

日本人選手が、MLBで苦戦する大きな壁は、英語でのコミュニケーションです。大学生活を通じてこれからの社会で求められるスキルを高いレベルで身につけることができるのは大きなメリットといえるでしょう。

また、マインドセット面(考え方)を重要視するコーチも多いため、チームワークミーティングで学び、コミュニケーションをしながら、全体的にバランスの取れた野球能力を身につけることもできます。

求められる野球の能力

NCAAの1部を目指すにあたって、求められる野球の能力について解説します。

野手

野手に求められるのは以下の3つです。

  1. 打撃力
  2. 守備力
  3. 走力

一つずつ紹介していきます。

打撃力


大学野球で求められるのはまずはバッティングです。NCAA Division 1部リーグでは、投手陣が非常に強力であることが多く、高い打撃力が求められます。打球速度を生み出すために、スイングスピードや正確性、パワーなどの要素を総合的に身につける必要があります。

NCAA Division 1の野球では、多彩な球種を投げる投手が多く、また球速も高いため、バッターは迅速な反応と正確な打球のコントロールが求められます。そのため、バッターは日々の練習によって、バットコントロールやスイングの正確さを向上させることが重要です。

守備力


守備力も非常に重要な能力です。

的確な守備位置取りや正確な送球、機敏なフットワークなどが求められます。また、守備においては、他のポジションの守備も理解していることが望ましいです。

走力

 野球においては、走力も非常に重要な要素の一つです。

ヒットで出塁した場合、アグレッシブな走塁やスチールなどが要求されることがあります。日本人選手で、足を活かす場合は高校まででやってきたベースランニングが非常に活きています。

ピッチャー

次にピッチャーに求められるスキルについて紹介します。ピッチャーに求められるのは以下の2つの能力です。

  1. 投球力
  2. 野球IQ

それぞれ解説します。

投球力

ピッチャーとしてプレーする場合は、高い投球力が求められます。NCAA1部に所属するピッチャーの平均球速は91−92マイルのスピードを出し、球種のバリエーション、制球力も安定しています。

野球IQ

 野球IQとは、野球に対する理解度や判断力、状況判断能力を指します。打撃や守備、走塁、ピッチングなど、野球における様々な局面で的確な判断を行い、適切な行動を取ることが必要です。

以上のように、NCAA Division Iカレッジ野球でプレーするためには、高い野球能力が必要です。

単に野球技術だけでなく、チーム戦術に沿ったプレーが高いレベルで求められます。例えば、ランナーを進めるためのバントや、ランナーを返すためのフライボールなど、状況に応じた正確な打球のコントロールが求められます。ホームランを打つためにぶんぶん振り回すというイメージを持たれているかもしれませんが、意外にスモールベースをやってくるケースも多くあります。そういう時こそ日本でやってきた野球が生きてくる瞬間でもあります。

野球選手として頑張っている以上は、高いレベルでプレーをすることをぜひ目指してください。そしてそこで求められる個人能力を高める努力をコツコツと積み上げていって欲しいと思います。

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