なぜ短大で文武での成績が大事なのか?

野球留学をサポートするなかで、多くの選手はアメリカの短大に進学をしていきます。

4年制大学で1年目から目指すことも可能ですが、入学するための基礎学力や英語力のハードルから比較的入学基準が優しい短大からスタートするようにおすすめしています。

今回は、アメリカの大学野球において、短大での文武両道での成績が大事とされる理由について解説します。

単位数と成績を残せないと試合に出れない

短大でも4年制大学でも、選手たちは必死に勉強をします。

もちろん将来の職業に繋がるという面もありますが、全米のスポーツ協会(NCAA,NAIA,NJCAAなど)が単位数と成績の両方を一定基準残せなければ、試合や練習でさえ参加できないというルールで統一しているからです。

つまり、学生たちが目指しているNCAA1部リーグの野球選手は、勉強もできて、なおかつスポーツもプロに匹敵するレベルだということです。アメリカで野球をするということは文武両道が当たり前であるアメリカの環境に適応し、野球も勉強も成績を残して行く必要があります。アメリカの大学に行くと決めた時点で、TOEFLという点数で目標点をクリアするために日本の大学受験をする学生たちと一緒に勉強を開始します。また、具体的な英語の勉強に加え、日常の時間の使い方から工夫していくことからスタートしましょう。

大変な文武両道の環境の中で成果を出すためにやってきた工夫や身につけたことは、社会というフィールドでも大きく活かすことができるのは覚えておいてください。

返済不要の奨学金獲得に有利になる

野球留学の醍醐味としてなんといっても、返済不要の奨学金が獲得できることになります。NCAAやNAIAでプレーをすることになれば、ルール上、選手に返済不要の奨学金を付与しなければならないとされています。

ちなみに、返済不要の奨学金はやはり野球の成績でもらえる割合が大きく、勉強の成績は別途追加されていきます。奨学金として、授業料や食費、寮費などの全額免除から授業料と生活費を入れた金額の◯%という提示が多いのが印象です。

編入する際に、4年制大学のコーチ陣と直接やりとりをすることも出てくるでしょう。その時に、コーチから一番最初によく言われるのは、「野球のプレーすごいよ」とか「いいね」ではなく、「あなたの短大での勉強の成績一覧を出してほしい」ということです。つまりこれは、いくら野球で成績を残していても、勉強の成績が良くなければ、NCAAやNAIAに選手登録ができない、大学の編入条件をクリアできないということを意味します。

そして、コーチは短大での勉強と野球の成績を合わせて、返済不要の奨学金の額を決めていくことになります。まるでプロの契約みたいですよね。

NCAA1部であれば、短大で最低でも4段階の成績で3.0以上で、卒業資格を持っていないと無理だということを覚えておいてください。みんなが目指すNCAA1部リーグへ短大から編入する上では、文武で成績を残すことが当たり前だということを覚えて、必死に頑張ってほしいです。

短大で野球を辞めて、勉強で名門大学へ進学できるチャンスがある

僕自身、野球をやり切ることが大事であっても、野球が全てだと考えていません。野球は長い人生の中でのほんの一部でしかないと考えていますし、学生にもそう伝えています。短大で文武に頑張り、野球をやり切ったものの、思うような成績を残せず野球はやめることも正しいと思います。

その際に、せっかく文武両道の環境に飛び込み、必死で勉強の成績を残してきたのであれば、日本の留学サイトに出てくるような名門大学へ編入ができるという事実を知ってほしいです。短大でGPAといわれる勉強の成績で4段階で3.0以上、つまりほぼAやB以上の成績を残せれば、〇〇州立大学へ勉強で編入することもできるでしょう。

実際に関わってきた学生たちで、野球は残念ながら成績を残せなかったけど、短大で3.5以上の勉強の成績が残せたことで、アメリカを代表する、日本のトップ大学より高い大学へ勉強で編入している学生たちもいます。その際、州によって勉強面だけで、返済不要の奨学金が出たりするケースもあります。

トップ大学の生徒たちは、周りは勉強ができて当たり前で、プラスして自分の武器を身につけるために勉強している学生たちが多い傾向にあります。目的を持って大学に来ているので、野球の時とは違った張り合いがあり、社会というフィールドで活躍していくための武器を身につけることもできます。

スカウトの視点から

大学野球の選手も、プロのスカウトから選ばれることを目指しています。プロのスカウトは、選手の実力だけでなく、大学での学業成績や人格面についても考慮します。

アメリカの教育システムにおいても、スポーツ以外の分野での学業成績も大変重視されており、総合的な人材としての能力を見極める必要があると考えられています。学業成績が優れている選手は、プロ野球選手としてのキャリアにおいても、自己管理能力や責任感が高いと判断され、プラスに評価されます。野球だけでなく、社会に出た時に活躍していける人材育成があるからこそ、文武両道で頑張ることが当たり前になっています。

以上のような理由から、アメリカの大学野球においては、選手の文武両道での成績が重要視されます。

今まで接してきている学生たちも、短大で文武に頑張り、返済不要の奨学金を獲得。そして、アメリカの大学を卒業し社会というフィールドで活躍することに繋げていっています。

ぜひ先輩たちに続いて欲しいと思います。

一覧に戻る