野球留学と就活 - 履歴書と自己分析について –

野球留学の集大成として、就職活動が挙げられます。

近年、留学生からも相談を受けて就職活動について話す機会が多く、真剣に自分の将来を考えている様子が伺えます。2030年には、労働人口が現状より10−15%減ってしまうことから、有望な若者が重宝される時代になってきています。

だからこそ、日本を担う人材、そして国際経験のある人材がより今後必要になってきているのはいうまでもありません。これからの日本を考えると、より一層海外で働く、海外と協力して働くということが求められていきます。

本記事では、野球留学生がどのように就活を進めたらいいかをお伝えしていきます。
野球留学している学生であれば、野球もやって勉強もやって大変だと思いますが、卒業後は自分で稼いでいくこと、そのためにどういう仕事につき、どのくらいの給料をもらえるようになるのかをしっかり把握していくべきだと考えています。

いつ就職活動をスタートさせるのが良いか

早い学生だと、4年制大学に編入してすぐの秋学期から就活を始める学生もいますが、多くは4年制大学へ編入して1年目のシーズンを終えてから始めるのがおすすめです。

アピールできる実績があるかどうか、大学卒業までにあとどれくらいあるかを総合的に判断してスタート時期を調整することが大切です。内定の話をもらう前に、必ずいつ頃卒業を予定しているかを確認され、いつから働き始めれるかを話し合うことになりますので、時期は早くても問題ありません。

今はより早期に動き出すことも大事になってきて、インターンシップなどで学生の能力ややる気を計ろうとしたり、能力の高い学生を早めに囲いたいという企業も多くなってきました。

そこで今日は、野球留学生の就活について話をしていきたいと思います。

就職活動の手順

就活は自分を知り、相手を知り、そこに対してどう対策していくかが大事です。ここでは就職活動の手順について解説します。おすすめの手順は下記のとおりです。

  1. 自己分析
    将来像(年収や家族構成、やりたいことなど)を考え、アピールポイントや経歴、経験をまとめて、自分の言葉で説明できるようにする。
  2. 企業調査:職種や業界の調査
    興味を持っているのかを明確にし、企業調査を行なう。
  3. 履歴書やエントリーシート、職務経歴書を作成
    自己分析の内容から、履歴書やエントリーシートの質問に当てはめる。
  4. エントリーシートの提出や面接など、選考プロセスに参加する。
    留学生向けのキャリアフォーラムで行う場合と日本の大学生と一緒で、企業にエントリーシートを送る。最近では、オンライン上で送るケースも多い。。
  5. 内定を受け取り、就職先での働き方やキャリアアップの可能性を考える。
    基本、一次審査はエントリーシート、2次で集団面接や筆記テスト、3次面接、そして会社役員との最終面接など順番を追って進めていく。


特に大事なのは自己分析です。

留学前の英語の学習成果、短大での文武の成績、4年制大学での文武の成績に加え、アルバイトやインターンシップなどの就労経験から、「どのような困難があり、どんな工夫をして乗り越えたか」「どんな成果を出すことができたか」「どのような対策したりして、チームワークで乗り越えてきた」など日本の当たり前が通じない中で、どう対処・解決してきたが特にアピール材料になります。特に、自分のアピールポイントをストーリーに学年ごとにまとめて、スラスラ短く言えるに練習しておいてください。

また、自分の将来像をしっかり持つことも大切です。どのくらいの収入があるといいのか、その収入があることで何ができるようになっているか、またその収入を上げるためにどのようなことを勉強する必要があるかなど、未来像を持って、それを勝ち取るために会社の中でどのようなことをする必要があるのか、どのような成果を出せばいいかなど逆算して考えましょう。

留学生向けの就活場所

留学生向けのおすすめの就活スポットは以下のとおりです。

  • ボストンキャリアフォーラム
  • 東京・大阪キャリアフォーラム
  • ロサンゼルスキャリアフォーラム


大事なのは、事前にフォームに登録をし、自己分析や履歴書で作成した内容をキャリアフォーラム上で登録し、企業にエントリーシートと履歴書を送っていくことです。特にコロナ以降は、エントリーシートを提出し、興味をもらえれば、すぐにZoomで面接を行っていきます。

そうすることで、興味のある企業から、直接連絡があり、事前にZoomで一次面接や2次面接が行われ、そして最終や三次面接でキャリアフォーラムで会って直接面談という流れになります。もちろんキャリアフォーラムで当日面接を実施していくことも可能ですが、事前にエントリーなどを済ませておけば、話が早くすすむ傾向があります。

この流れで時に大事なのは、やはり自己分析で、簡潔に分かりやすく野球留学を通した経験のアピールポイントを言えるかどうかが大事になります。

この動きをするにあたり、おすすめなのは、本命の自分が働いてみたい会社の候補を上げ、その前に3−5社の面接を練習しておくことをお勧めします。実際の面談を経験しておくことで、面接の話の中で何が評判がよく、アピールできているか、反対に何を改善しないといけないのかが明確になり、より伝わる話が本命の会社の面接ですることができます。

Offerboxやリクナビへ登録

自分から動くことと同時に、オンラインにて登録を済ませ、企業から直接オファーをもらい、面談をします。実際に、企業から連絡があることで、Zoom面談などから審査をスタートさせていきます。興味を持っている状態であることから、話がスムーズに進む傾向があります。

実際に外資系への就職を勝ち取った学生もいます。年収ベースで、1年目から500万、そして3年目からポジションを与えられ、700−800万ほどの年収になっている例もあります。

気になる企業へ直接連絡をする

どうしても就職して働いてみたい企業があれば、直接エントリーシートと履歴書を送りましょう。企業によって、日本での面接が必須であったり、直接企業に来て欲しいという場合も少なからずありますが、事情を話せばZoomでの面談に切り替えて進めてくれる傾向が強くなっています。

この場合は、日本の大学生と一緒の動きになるため、日本の大学に進学した同級生がどのように動いているかなど早めに情報収集をしていくと動きが掴みやすいと思います。特にキャリアフォーラムに参加している以外で働きたい企業があれば、早めにその年の募集要項を確認しておいてください。

アメリカでの就活

実際に、アメリカに4−5年いることで、アメリカで働きたいという気持ちが強くなる人もいるでしょう。実際にアメリカで働くという選択肢を考える場合、以下の2つしかありません。

  1. アメリカ人と結婚をし、グリーンカード(永住権)を申請
  2. スポンサーと言われる、就労ビザを出してくれる企業を探す

グリーンカードを申請した例は、実際に野球留学をした学生で3名ほどいます。永住権を申請してから2年間は現地にいる必要があります。永住権を取得したといえ、就活しないといけません。アメリカの就活は、大学で何を勉強してきたかより大学時代に何に取り組んできたかなど、完全に「能力」で決まってきます。だからこそ、自分のポジションを上げるために、大学院に行くケースも多くあります。

ビザを出してくれる企業を探すケースに関しても、自分で履歴書を送り、動いていくしかありません。現状は、学生ビザ(F-1)から就労ビザ(H-1ビザ)に切り替える方法があります。

就労ビザは、MAXで6年間(3年で更新)、合法でアメリカで働くことができます。その時に、自分にビザを出してくる会社の社長や役員レベルから、「ビザを出して良い」という許可を出してもらい、移民局へ申請してもらわなければなりません。現状は、IT系の学生や大学院生でないとビザを取得できないケースも多くあり、年収ベースで最低700万くらいの能力を持つことなど、就労ビザに関してより厳しい条件が、求められています。しかし、もし仲良くなって、ビザを出しても良いということが認められ、ビザが発行されれば働くことができます。

また、大学卒業時に、1年間働いても良いというOPTというトレーニングビザもあります。この場合も、自分でビザを出してくれるスポンサーを見つける必要があります。

まとめ

野球留学生の就職活動について、まとめました。

自己分析を通して、自分をどうアピールしていくか、そして、どのような企業に就職し、どのくらいの収入を得ることを目標にするのか。

野球留学を通して、頑張る目標をなるべく数字で表し、そこに向けて自分をコーチにどうアピールするか、短所と長所を見て、そして周りのレベルを見て、活躍するために、自分をどう磨いていくかが大切です。

頑張ってきた野球留学の経験は、自分が思っている以上に、社会人生活で活かすことができます。だからこそ、今までどうだったかではなく、今いる留学生活の1日1日を無駄にすることなく、レベルアップできるように頑張って欲しいと思っています。

一覧に戻る