アメリカ大学野球サマーリーグについて
夏休みに開催されるサマーリーグを知っていますか。
サマーリーグに参加することで、自分の野球スキルを高められるだけではなく、プロチームにスカウトされる可能性もあります。
今回はサマーリーグに参加するメリットやサマーリーグ期間中の過ごし方について解説します。
サマーリーグとは
アメリカの大学野球におけるサマーリーグの主な目的は、大学生の野球選手たちに、オフシーズンにプレーする機会を提供することです。これにより、選手たちは自分の能力を向上させ、次のシーズンに向けて準備することができます。選手たちがプレーすることで、彼らの技術や戦術の向上を促し、大学野球のレベルを上げ、さらにはアマチュア野球界全体のレベル向上につながると考えられています。
また、サマーリーグには多くのMLBスカウトが注目しているため、選手たちはプロのチームにスカウトされる可能性もあります。これは、選手たちが将来のプロ野球選手としてのキャリアを追求することを目指す場合に特に重要になります。また、短大や4年制大学のコーチ陣も自分のキャリアアップを図るためにサマーリーグに参加しているケースも多く、サマーリーグでの活躍次第ではその場で4年制大学からのオファーを勝ち取ることも夢ではありません。
私自身も、サマーリーグに参加し、複数の大学から返済不要の奨学金オファーをもらった経験があります。一番評価が高く、全額奨学金を出すという条件をいただいたことで、4年制大学へ編入をすることができました。
サマーリーグの種類
アメリカの大学野球において、サマーリーグとして知られる大会は多数存在します。具体的なリーグ数については年度や時期によって異なりますが、代表的なサマーリーグは下記のとおりです。
- Cape Cod Baseball League
- Alaska Baseball League
- California Collegiate League
- New England Collegiate Baseball League
- Northwoods League
- Coastal Plain League
- Texas Collegiate League
- West Coast League
- Perfect Game Collegiate Baseball League
その他のリーグと詳細:http://baseballnews.com/summer-collegiate-leagues/
上記のリーグは、NCAAの1部リーグの選手やMLBドラフト候補、短大で優秀な成績を残した選手たちが参加するため、コーチからの推薦や招待がないと一般には参加できないリーグもあります。参加するためには、直接リーグ側に自分から英文でコンタクトをしてみることも必要です。また、コーチも多くの繋がりを持っているため、コーチから紹介をもらうこともおすすめです。その時に、前のシーズンで目覚ましい成績を残していると推薦が得られやすいので、大学野球のシーズンではしっかり成績を残しておきましょう。
他にも、地域ごとに独自のサマーリーグが存在する場合があります。特定の地域や州に限定されているゆえに、全米的に知名度が高くない場合がありますが、これらのリーグでもプロのスカウトは注目しています。
参加するリーグによりますが、NCAA1部から、4年制大学や短大でプレーしている選手まで、レベルが様々な選手たちが一緒になってチームを作るため、純粋に自分のレベルを知ることができたり、周りにアピールできる環境となっています。また、多くの友達を作ることができるのもサマーリーグのメリットといえるでしょう。
サマーリーグの開催時期
サマーリーグは、6月から始まり、長いところだと8月の1週目くらいまで行われます。多くの場合は大学の夏休み中に行われます。参加選手は、全員が試合に出るようになっており、実践でレベルアップを図るのには最適な環境です。MLBドラフトは毎年6月に行われるため、参加選手の中にドラフトにかかっている選手もいるかもしれません。
サマーリーグは、チームごとに枠があります。年明け1月のシーズンが始まる前から少しずつサマーリーグなどの情報収集をしていき、早ければ3月には参加しておくのがベスト。それを逃すとリーグに参加できない場合もあります。不明な点は、チームメイトやコーチに相談しておくのがよいでしょう。
参加費と滞在先
サマーリーグに参加する際の費用は、一般的に自己負担となります。30−40試合をするサマーリーグは、大学野球選手たちにとって野球技術の向上やプロスカウトの注目を集めるための貴重な機会であるため、基本的には選手たち自身が負担することが多いです。
金額は、平均500−2,000ドルでリーグによって大きく変わります。その費用には、ホームステイや寮費などの滞在先が含まれているのか、 昼食だけ入っているのか等、参加費用の内訳をしっかり把握しておきましょう。多くの場合、リーグに参加中はホームステイや大学の寮に滞在するケースも多いので、宿泊に関しては必ず確認するようにしてください。
移動手段
先述したの滞在先をどうするのかだけではなく、移動手段についても確認をしておく必要があります。インターナショナルの学生の多くは車を持っていないため、参加するサマーリーグが移動を必要とするのかは必ず確認しておきましょう。
サマーリーグに大学のチームメイトと一緒に参加するのもお勧めです。なぜなら、すでに関係ができていることに加え、期間中は一緒にチームメイトの実家に滞在させてもらい、移動も車を運転してもらって球場に向かうことができるからです。費用面でも比較的安く、そして英語力を上げるのにも絶好の環境といえるでしょう。
1年目のシーズンで活躍できなかった場合や、2年で編入を考えている人こそサマーリーグに参加をしよう
費用を気にして、短大を2年で編入することを考えているのであれば、サマーリーグに参加するのがおすすめです。逆にしないといけないと考えています。また、1年目のシーズンで思った以上に試合に出れなかった場合なども参加を検討してるのがよいでしょう。
理由としては、サマーリーグでの成績もアピールする材料になるからです。野球の成績に加え、自分をアピールできるいいプレーをしたバッティングやピッチング動画も残しておくと後々の選考に進めやすくなりますよ。
夏季休暇中に大学の授業も受けた方が良い理由
サマーリーグの期間中に、少しでも大学の授業の単位をとっておくこともおすすめです。短大や4年制大学を卒業するタイミングから逆算していくと、夏休みに大学の授業をとっておいた方が卒業までの単位計算が楽になります。コロナの影響で、オンライン授業が当たり前になったことから、以前より授業を受けやすくなっているのでサマーリーグ期間中も文武両道を頑張りましょう。
また、この夏休みに、体のケアや筋力トレーニングをして体を作る学生もいますし、少しでも大学の費用を浮かせるために、日本に一時帰国をし、バイトやインターンをする学生もいます。また、大学の成績をあげることや、卒業単位を少しでも早く取ることを考え、授業を取る学生も多くいます。
約3−4ヶ月ある夏休みをどう過ごすのが自分にとって大事なのかを考え、その上で参加するかどうかを判断する方が良いと思います。