偏差値40からのTOEFL攻略方法(アメリカ大学野球留学生向け)

アメリカの大学へ入学するためには、TOEFLが必須です。もちろん、他のテストなどもありますが、4技能を大学の授業についていける最低限の英語力を身につけていることを証明するのに、TOEFLの試験は最適だと考えています。

今回はもともと偏差値が低かった僕の経験談を含め、TOEFLの勉強法をお伝えします。

TOEFLを通して大学基準点を突破するためのポイントに加え、将来働き出した時に求められる力を意識しながら、留学前の英語学習の進め方について説明していきます。

TOEFLとは

TOEFLは、「読む、聞く、話す、書く」と120点満点のテストで、内容も大学の授業の一部を抜粋したような問題も多く、4技能に加え、日本語での知識レベルも求められます。

僕自身は、TOEFLで最低限のレベルにいかないのであれば、大学への留学ではなく、短期の楽しい野球留学に切り替えた方がいいと思っています。なぜなら、今まで勉強をやったことがない人がアメリカに行ったからといって勉強をするわけではないのに加え、野球も勉強も途中で投げ出すことが目に見えているからです。せっかく親から野球留学の許可をもらったのに、親から頂いた投資が無駄になってしまう可能性もあります。

事実として、毎年の学生の多くは、中学、高校もまともに勉強もしてこなかったという野球留学生が多く、中学レベルの英単語や文法でさえ怪しいところからのスタートとなっています。しかし、野球を頑張ってきたというガッツで、毎日英語に接しながら、英語の基礎を抑えながら、集中してTOEFLを基準点以上で突破する経験があったことから、アメリカの大学に行って、大学の授業でも高い成績を残すことにつながっている事実もあります。

日本の英語でこんなに時間をかけているのにできないという意見がありますが、身近に英語を使う必要性がないことから英語を習うものの、使う機会がないことから身につかないと考えています。一方でわかりやすく偏差値で40の学生でさえ、「英語のルールを学び、何度も繰り返し使う」ことで、アメリカの大学入学レベルまで持っていくことができています。単純に、英語も野球の練習と一緒で、試合(英語のテスト)を意識して、そこへ向けて繰り返し使える英語を身につけていき、英語で自分の意見を伝えたり、わかりやすく要約をしてまとめる力を一緒に高めていくものだと思います。

まずは今のレベルを知り、目標を決める

英語は、英語を使っていかに自分の意見を相手に伝えられるかというコミュニケーションツールです。野球と一緒で、ルールを覚え(文法)、言いたい表現をルールに従って文章をすぐに作れるかという反射神経ともいえるでしょう。

TOEFLの問題は、使い方や考え方次第で、留学前の英語学習に最適だと考えています。それは、単語や文法を押さえながら、4技能(読む、聞く、話す、書く)という力全てを鍛えることができ、様々な知識に加え、自分の意見をいかにわかりやすく相手に伝えるかという練習もできるからです。

TOEFLを勉強するのにまず大切なことは、現在地を知り、目標点に達するためにどんなパーツが必要かを見て逆算し、計画を立てて勉強をすることです。その時に、必要点数とやること、期限をそれぞれ決めてやっていく必要があります。

僕が高校の時、成績は下から数えたほうが早く、1回目のTOEFLが120点中の10点台からのスタートでした。そこから、3ヶ月間毎日勉強して、72点まで上げることができました。

その経験があったおかげで、アメリカの大学野球をやりながら、英語で宿題や論文の作成、ディスカッション、そして大学を卒業することができました。

それも全て目標に達するためにどうすべきか逆算したからです。

具体的な学習方法

次にTOEFLの具体的な学習方法について解説します。

①文法と英単語

文法は中学レベルをまず完璧に、自分で使い方を説明できるように繰り返すことが大切です。高校生であれば、中学レベルから受験英語くらいまでを何度も復習しましょう。ここは、高校の先生をフル活用することをお勧めします。お金をかけて塾に行かなくても、中学から高校までの文法であれば指導してくれます。

英単語は、正しい発音と意味が反射的に出てくるようになるまで、素振りと同じように毎日繰り返すことが大事です。根気が求められますが、一旦要領を掴めば、覚えるスピードも上がってきます。

僕は全ての学生に、高校で配られる英単語2000語を完璧に覚えさせています。正しい発音で1秒で意味が言えるまで何度も繰り返し学習をしています。

英語は、英文法のルールと単語を覚えながら、シンプルにインプットとアウトプットの繰り返しの訓練で誰でもできるようになりますよ。

②スピーキングとライティング

TOEFLのスピーキングは4題ありますが、そのうちのQ1の問題が一番面白いです。それはテーマに対して、個人の意見を結論→理由→詳細という流れで説明を45秒以内でやらないといけないからです。各学生がどう考えているかがよくわかるし、45秒という短い時間に自分の意見をまとめるのは簡単なことではありません。これは、社会で働き出した時も一緒です。難しい表現を並べるのではなく、いかにシンプルにまとめ、わかりやすく相手に伝えるかは社会人になってもとても役に立つ力でしょう。

Q2からQ4は、何をいっているか、そしてそれはどんな説明をしているかをまとめる問題です。ここで大事なのは、わかりやすくまとめられるかということです。どちらかといえば、大学の授業に近いイメージを持ってもらうとわかりやすいと思います。内容も、キャンパスに関してだったり、実際の授業内容の一部をわかりやすく、教授が説明してくれていて、その内容をまとめるという問題です。一番、学生がとっつきやすく、スピーキング、リスニング、リーディングをすべてまとめて勉強できます。

ここで大事なのは、できるようになるには、文法を意識した訳の練習から内容を理解し、英文でまとめ、それを暗記するまで「声に出して繰り返す」この作業が大事になります。普段の生活からアウトプットしていないことから、このスピーキングでは時間内に、言えるように何度も繰り返すことが大事です。リスニングに関しても、1回すべて丁寧に文法や単語を意識して日本語に訳して内容を理解し、内容が分かった状態で、リスニングを何度もすることでリスニング力も向上します。

スピーキングでやったことの応用がライティングでもあります。ライティングテストは、25分でリスニングとリーディングを合わせてまとめる「Integratedライティング」と、30分で自分の意見を結論と理由や詳細をわかりやすくパソコンでタイピングする「Independet ライティング」の2種類の問題で構成されています。ここでも、過去問などは、さまざまなサイトに出ています。テスト時間通りにこなしていくことで気づくことがたくさん出てくると思います。「タイピング速度が遅い」や「文章が思い浮かばない・・」などこれをどう解決していくかという自分なりの工夫が生まれてきます。出てきたら解決策を調べたりして実際にやることが大事です。

毎年、多くの学生は全くパソコンのできないところからスタートし、3−4ヶ月で英語で250−300字のエッセーがかけ、文章を構成できるところまで行くことができています。

③リスニング

正直いえば、リスニングが一番時間がかかります。リスニングのスタミナをつける入り口として、スピーキングの問題のリスニングで、徐々に耳を慣らしていくのがよいでしょう。

5分以上のリスニングをしていると最初の1分くらいで何を言っているかわからなくなるときもあると思います。これを解決するには、リーディングが最適です。まず最初にリスニングの問題を解き、全て英文を訳して、話と内容が分かった状態で何度も聞くようにします。

これはアメリカの授業でも一緒で、授業で教授やクラスメートが最初何を言っているか全くわからない状態だからこそ、「予習」をしっかりします。予習をしっかり行えば教科書を読んで内容を理解していくだけで、教授の言っている内容が入ってくるようになります。

リスニングを復習するときに、おすすめなのがシャドーイングというテクニックです。難しいものをシャドーイングするのは自己満になってしまうので、日本語訳をして、内容がわかり、リスニングの音声と一緒に声を合わせて話すのがポイントです。

④リーディング

リーディングに関しては、バックグラウンドの情報がないために、読んでいてもイメージがしづらい傾向があります。例えば、アメリカの歴史の話や、天文学や科学、環境などの話など正直、日本語でも読むのが難しい内容が取り上げられます。

TOEFLでは設問が10−11問あります。ここで大事なのは、パラグラフリーディングです。全部読めるほど時間がないため、その問題が出ているパラグラフで理解していくことをお勧めしています。その際に、質問で聞かれている内容がどの段落=パラグラフにあるのか、そしてそこからその段落を集中して読み、答えを絞っていく練習をしていかないと、なかなか時間内に問題を解き終えるのは難しいと思います。

ここも復習で、問題ごとに段落を丁寧に読み直し、しっかり「なぜこの問題があっていのか、この設問が間違っているのか」を本文での説明をもとにやっていくことが大事です。現代国語の授業と一緒で、答えは英文の段落にあります。そうすることで、①さらに英単語を覚えないといけなかったり、②そのリーディングのテーマについて日本語で調べて、内容や背景が分かった上で、もう一度英文を読み直したりすることで、知識となっていき、アメリカの大学授業についていける語学力となっていきます。(アメリカの大学では、とにかく読む量が半端ありません。。。)

リーディングを早くしたいという気持ちがありますが、英単語量や訳すスピード、物語の背景の理解度などによって変わりますが、英単語の量を増やし、丁寧に訳していく訓練をこなして行った方が、後になって読むスピードと文章の理解度が上がり、TOEFLの設問への正答率も上がることになります。

TOEFLの問題集以外にも、日本の国立の2次試験の問題や私立大学の入試問題など参考にできます。

最後に

勉強ができるかできないかは、限られた時間の中で、いかに繰り返しができるかが大事になってきます。今日やったことは何かという振り返りと、翌朝にもう一回やったことを繰り返す。このように、インプットとアウトプットを毎日繰り返していくことで、英語の点数は誰でもあげることができます。

改めて、留学する前に勉強する習慣づくり、目標から逆算して取り組む力、根拠を持った説明力など、アメリカの大学で求められる力を留学前から身につけておくことで、アメリカの大学へ進学した時にも必ず活かすことできます。

正直英語に対して不安になるときもあると思いますが、一緒に野球留学をする仲間と切磋琢磨しながら英語の学習を進め、みんなで英語力をあげ、野球も一緒にレベルアップさせ、留学してから活躍できるように進めていきます。

留学してからの活躍を一番に、そして過去どうだったかではなく、今あるエネルギーを全て未来へ!

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