アメリカの大学へ野球留学前に、英単語帳1冊を完璧にするのは当たり前?

アメリカの大学野球留学する学生たちの英語を見て、早6年が経ちました。

高校3年生の坊主姿の学生たちを大学卒業まで見届け、社会というフィールドでバリバリ働く姿を見ていると、野球留学の仕事としての大変さもありつつもやはり「やりがい」を感じています。

そんな学生たちも最初は、英単語からスタートしました。自分自身は英語の先生ではないですが、英語や勉強をやってこなかった学生たちをどうすればTOEFLに合格し、大学の授業についていける最低限の英語力を身に着けられるか。そして社会に出た時にも活かせれるように、成果を出すための考え方や逆算する考え方を身につけていけるかなど色々と試行錯誤をしてきました。

今回は、英語学習において一番最初のステップである、「英単語帳を1冊覚えた方がいいか」について解説します。

英単語は誰でもやり方と継続さえできれば覚えられる

今まで送り出してきた学生たちには、単語帳を1冊分完璧にして留学してもらっています。今まで関わってきた学生たちの中には、高校卒業が微妙なラインの学生や、英語をやってこなかったという商業高校や工業高校、農業高校出身の学生たちもいましたが、最終的には一冊分覚えてきています。

そのため、英語ができないとか、勉強をやってこなかったというのは自分の前ではどうでもいいです。学生が野球留学にたいして本気かどうかが、この「英単語の学習や取り組む姿勢」を見るだけで分かります。

ここで大事になるのは、「やる気」と「やり方とスケジュール」だけです。

野球でいう素振りやシャドーピッチングを継続することに意味があるように、英単語も毎日「自分が使うこと」を意識して、声に出して何度も繰り返していくことと、月・週・日のどこに英単語を入れていけばいいかをスケジュールしていき、習慣化することが大事です。

習慣化を作る上では、「期限と目標」を決め、逆算する思考を持っておいてください。例えば、今月31日に500語を完璧に覚えるときめたら、そこから、週単位・1日単位に落としていきます。

1秒ルール:英語発音から日本語の意味が1秒で言えるか

英単語の覚え方ですが、中学校の時に書いて覚えたという学生が圧倒的に多い印象を受けます。書いて覚えるのは、時間がかかりすぎるので、どうしても何回繰り返しても覚えられない時だけ書くようにしてください。
あくまで、スピーキング重視でアウトプットを意識して、まずは「しっかり発音」をしながら、「1秒で日本語の意味を言う練習」を何度も繰り返します。正しい発音がわからない場合は、Googleで調べたり、高校の先生に聞きながら進めたりするのがいいでしょう。

50単語くらいを60秒から90秒ほどでできるようになるまで繰り返しましょう。これを1回10セット、朝の学校に通う電車の中で、昼飯を食べ終わった後、夜は風呂から上がってすぐと言うように強制的にやる時間を決めて繰り返していくだけです。

たったこれだけですが、この声に出して繰り返し繰り返すことで、自分の口から声に出して言うという習慣ができ、その後のスピーキングやリスニングの音の聞き取りなどにもつながってきます。

英単語をある程度覚えてきたら・・

「意味だけ覚えてもダメじゃん」と言う意見もありますが、まずは、1単語で一つの意味を覚えていくことを優先してください。

英単語を覚えてきた後に大事なのは、以下の4つです。

  • 自分の意見を文章で伝える
  • 英語を訳しせる
  • 英文でまとめられる
  • 発表ができる

そのため、英単語を覚えて、使えそうな時は積極的に使っていく、この英単語でこう言いたいと思えば、積極的にインターネットで調べながら使い方を覚えていくことが大事です。

アメリカの大学に求められる英語力について

1年目から4年制大学へ行くには、TOEFLで61点以上、平均で72点ほどをTOEFLで求められます。一方で、短大は0-61点で、平均で45点以上となってきます。

近年、短大でもTOEFLに必要なスコアが上がってきています。理由は、英語の授業について行けない学生がいくらきても困るからです。大学にくるのであれば、英語がある程度できる学生に来てほしいという傾向になってきています。

大学附属の英語学校からスタートしてからと考える人もいますが、英語学校に通いながら野球部に所属することは基本できません。留学前にできるのであれば、しっかり英語を勉強し、TOEFLの基準点を突破していくくらいで留学をするのがベストな流れといえます。

単語を覚えるという作業がもたらすこと

今まで高校を卒業できるかどうかわからない学生から、トップ進学校に在学し、英語ができる学生を見てきました。特に英語をまともにやってこなかった学生たちには、英単語を覚えるという作業がとても大事になります。「単純な英単語を覚える」という地道な繰り返しになります。野球の「試合で活躍しているやつ」は、この素振りや地道なトレーニングに手を抜かないのと一緒です。野球も勉強も、結局は一緒だと思っているのは、自分だけでしょうか。

自分の野球留学生への思いは当時と全く変わっていません。野球留学生が英語というコミュニケーションツールを使いこなし、野球と勉強で4年制大学を卒業する。そして、社会というフィールドに立った時も、バリバリ働いて、自分の「成功=幸せ」を自ら掴んでいけるようにサポートすること。

高校3年間の過去は変えれませんが、自分に真剣になり、能力を上げる努力をし、全てのエネルギーを未来へ持っていくことで、その先の未来はいくらでも変えることはできます。だからこそ頑張ってほしいと思っています。

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