この冬をどう過ごすかで、大学野球のシーズンが大きく変わる!

いよいよ2023年の秋学期もファイナルテスト(期末テスト)を迎えたり、もう終わった大学もあると思います。秋学期はどんな学期でしたか?

1年生にとっては、初めてのアメリカでの野球で練習の短さと英語の授業と宿題で大変だったと思います。一方で、2年目や3年目を迎える学生たちは、秋学期は多めの授業をとり、自分の課題を持って入った秋学期ではないかなと思います。

次の春学期の大学野球のシーズンが終わったら「4年制大学への編入」が待っています。だからこそ、このタイミングで改めてお伝えしていきたいと思います。

2年目や3年目の学生たちへ

編入において大事になるのは、「大学で残した文武の成績」が最も大事になります。

もしアメリカの短大からNCAAの1部リーグや2部リーグのトップ大学を目指している場合は、いくら能力が優れていても短大でのStats=成績がないと難しいと思っておいてください。

野球のスキルアップ

今では、動画をうまく編集して自分のいいところのみを動画にして、コーチ陣へアピールすることができます。しかし、4年制大学の野球部のコーチが、短大から編入してくる学生たちに求めていることは、「即戦力」です。特に強いチームであればあるほど「即戦力」を求める傾向は強く、能力のみの受け入れは高校生からでいいと考えています。ちなみに、その高校生たちも強豪大学でプレーできる最低基準を満たすくらいの能力を持っている強者です。

この冬は個人の能力をアップできる最後の時期だと思って、シーズンで活躍できるように体のキレが落ちないように自己練習とトレーニングを計画して取り組んでほしいと思います。コーチ陣からは、厳しく言われない環境だからこそ、自分に厳しく、練習環境を作っていかないといけません。ラストシーズンで活躍することができれば、1年目に成績を残せなくても大きなチャンスが待っていることを念頭に、「春学期にどんな活躍をするか」考えながら、この冬をどうレベルアップできるかを考えて、過ごしてほしいと思います。

卒業単位数を確認しよう

このタイミングで卒業単位数とGPA=成績を必ず計算しておいてください。次の春学期や夏学期を終えた時点で、卒業資格を持てるのか、また編入に必要な最低単位をとっているかをこの冬学期に計算し直して、軌道修正をします。編入で大事になるのは、編入で使用できる最低単位数をすべてとっているかです。条件を満たしているのかを常に見ておくことが大事です。

特にNCAA1部であればGPA3.0以上で、60単位の短大の卒業資格が必須となります。NCAAの2部やNAIAであれば、卒業資格の48単位以上で2.8以上あれば大丈夫です。しかし、多くの学生たちは少しでも返済不要の奨学金がほしいと考えていると思います。奨学金を受け取ることを考えているのであれば、成績最低3.0以上を残すようにしておいてください。3.5以上あれば、全米の成績優秀者となり、勉強面でももらえるトータルでもらえる返済不要の奨学金が増える傾向にあるので、勉強面でも成績を残すことを基準に持っておきましょう。

また、短大で野球はもうやりきったので、勉強面で4年制大学へ編入を考えている場合は、早い大学でこの冬には編入の手続きが終わる大学もあります。その上で、どういった大学へ勉強面で編入するのか、編入の願書期限や必要書類、編入できる最低条件に加え、年間の費用、立地、専攻、そして勉強面での返済不要の奨学金が獲得できるかなど早めに情報収集を済ませておいてください。※編入の際に、次の春学期や夏学期で取得できる単位を含めているのであれば、その件も編入先のインターナショナルの担当者に伝えれば問題ありません。

1年目の学生たちへ

ドキドキのシーズンを迎えることになると思います。しかし、1年目の初めてのシーズンで大活躍をすることができれば、早い時期から編入に向けて動けたり、推薦組でしか参加できないようなサマーリーグに参加できたりします。周りのレベルが高いNCAAの1部リーグや、MLBドラフト候補が多くいるような環境でプレーするチャンスを得ることができます。

1年目からが勝負!

たとえ、シーズン当初はレギュラーではなくても、出場機会が巡ってきた時に活躍をすれば、レギュラーを掴むチャンスがあることを覚えておいてください。特に3月に入るまでにしっかりアピールできているかが大事です。理由は、カンファレンス(=リーグ戦)の試合が3月以降から入ってきて、そこのカンファレンスで勝てないと、チャンピオンシップに出場できないため、戦いが一気に厳しく、アメリカ人も集中力が一気に増してきます。

目指すのは、ポジション別でカンファレンス優秀選手や州代表選手。シーズン最後に選ばれ、表彰されます。ここまで行くことができれば、NCAAの1部や2部の強豪大学への編入、そしてMLBドラフト候補にまでいくことができます。

勉強も手を抜かない

シーズン中も、大学の授業は継続していきます。よくあるのは、遠征の次の日がテストや課題提出期限。目をこすりながら課題を済ませることも出てくるかもしれません。

だからこそ、前もって計画をしていく癖を持てるかどうかが大切です。早めに準備をしたり、教授に交渉をして宿題の提出日を延期してもらったり。クラスメートにノートや授業の進捗などを確認するのに、英語でコミュニケーションを取る努力も大事になってきます。

早めに、そのクラスの概要やテスト日や課題の提出日などが記載してあるシラバスを見て、学期中にいつテストや課題があるのか、そして大学野球の試合日をカレンダーに記載しておきましょう。それを見て前もって進めていく準備をしておくことが大事になります。

さいごに

究極に文武両道が求められる環境で、頑張っている先輩たちがたくさんいます。彼らも最初は不安とワクワクがいっぱいな状態だったと思いますが、環境の全く違う中で必死に頑張っています。

自分を高めながら、文武で成績を出すことにこだわって頑張った先に、必ず良い選択肢が待っています。それが返済不要の奨学金なのか、トップ大学への進学なのか、MLBドラフト候補かはわかりません。

私自身は、アメリカの大学野球で日々工夫して頑張ったことが、社会というフィールドに入る就職活動の時にアピールでき、上場企業や外資系への就職につながり、社会というフィールドに入ってからも頑張っていくことにつながっていると考えています。

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