【アメリカ高校野球留学】 ルイトさんの1年目

兄に憧れ、留学という新たな挑戦へ

私がアメリカに留学することを決意したのは、かつて兄が同じように海外で挑戦していた姿に憧れたからです。兄のように新しい環境に身を置いて、自分も大きく成長したい。その思いが、海外留学という一歩を踏み出すきっかけになりました。

現在所属している高校野球のチームでは、元メジャーリーガーをはじめ、D1(ディビジョン1)出身の選手や、大学野球で監督・コーチを務めた経験のある指導者が揃っており、本格的かつ実戦的な指導を受けることができます。

ホームスタジアムは全人工芝で、電光掲示板付きのフィールドが広がっています。ロッカールームやミーティングルーム、動画分析室などが完備されており、登場時にはアナウンスとともに自分の選んだ曲が流れるという演出もあり、まるでプロ選手のような環境です。選手一人ひとりの写真や出身地、学年がスタジアムに掲示されるなど、誇りと責任感を持てる演出も印象的でした。


充実した練習設備と、緊張感のある日常

練習は毎回、全体で円陣を組み、士気を高めてから始まります。ポジション別の基礎練習から始まり、シートノックやランダウンプレー、サインプレーといった応用的な練習に移っていきます。

バッティング練習は、屋外とケージに分かれて行い、置きT、トス、マシン打撃という順で段階的に打ち込みます。特にマシン打撃では、速球レーンと変化球レーンに分かれていて、対戦相手の投手を想定した実践的な練習ができます。

室内練習施設も非常に充実していて、バッティングスペース4か所、投球練習用のマウンド4か所、10台以上のパワーラック、ダンベル、チューブ類、ランニングマシンなど多彩なトレーニング器具が揃っています。

トレーニングメニューでは、脚や背中を中心にRPE8(主観的運動強度)程度の負荷で5回前後の反復を行い、瞬発力と筋力の両方を高めます。ケアルームにはサウナ、プール、マッサージ器具が完備されており、練習後には身体のケアを行う選手も多くいます。

体づくりだけでなく、ケガ予防や回復の意識も高く、全体として非常にプロ意識の高い環境で日々練習に取り組んでいます。


チームの雰囲気と仲間たちとの絆

チームメイトは、それぞれに高い目標を持ち、練習や試合では常に声をかけ合いながら互いに支え合っています。

遊びや食事に誘ってくれることも多く、日常生活の中でも交流が活発で、仲間意識の強いチームです。国籍や文化の違いはあっても、お互いをリスペクトし合う姿勢があり、人間関係の面でも安心して過ごせる環境が整っています。

スケジュール面では、2週間に1度ほど2泊3日から3泊4日の遠征があります。遠征先はサウスカロライナ、ジョージア、フロリダなどで、6〜13時間の長距離移動もありました。宿泊は2〜3人部屋の綺麗なホテルで、遠征中も落ち着いて過ごすことができました。

遠征のない週は、月曜と金曜が練習日で、火曜〜木曜はホームスタジアムで試合が行われます。試合前にはその日の目標や確認事項を共有し、試合後には振り返りを通して改善点を話し合い、できたことをしっかりと評価する文化があります。

こうした日々の積み重ねが、チーム全体の前向きな雰囲気を生み出していると感じます。


今シーズンの振り返りと次への課題

シーズン前半は、チャンスでのタイムリーヒットや盗塁、得点などでチームにしっかり貢献することができました。しかし後半に入ると、打撃不振が続き、それが守備にも影響を与えるような場面が出てしまったのが反省点です。

それでも、自分なりに工夫して進塁打や四死球での出塁を意識し、盗塁や得点へつなげるなど、最低限の仕事はできたと思っています。打撃と守備の両面が良い影響を与え合えるように、来シーズンは後半戦でのパフォーマンス向上を最大の課題とし、自分らしいプレーでさらにチームに貢献したいと考えています。

これからも、目標に向けて一日一日の練習を大切にし、次のシーズンでより良い結果を残せるよう努力していきます。

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