【現地からの後押し】アメリカ大学野球で感じた「本当に評価される選手像」

野球留学を考えている人の中には、「メジャーリーガーになりたい」と思っている人も多いと思います。

また、「アメリカの野球は日本のように厳しくなく、もっと自由で派手にプレーできる」と考えている人もいるのではないでしょうか。僕自身もアメリカに来る前は、メジャーリーガーのように派手に大胆にプレーしてやろうと思っていました。

しかし実際にアメリカに来て、いろいろなコーチの話を聞く中で、「評価される選手像」が少しずつはっきりしてきました。

①野球に対する姿勢

グラウンドで歩いている、または走っているのか歩いているのかわからないようなダラダラしている選手は論外です。スカウトはプレー中だけでなく、イニング間で守備につくときの姿勢まで見ています。たとえ小さな動きでも、そこからその選手の野球への姿勢が伝わります。

特に、プロ野球やメジャーリーグなどで、三振や凡打してしまった後にバットを叩きつけたり、物に当たったりするのを見かけることがあるかと思います。しかし「スカウトたちはそれらの行為を見たくはない。エラーをしても三振しても常に顔を上げて前向きに振る舞え。」という話をミーティングでコーチから話してもらいました。

また、いつかのミーティングで、「いつも誰かはあなたを見ている。」ともコーチは言っていました。どうプレーするかだけではなく、どう見られているかを意識して行動することが大切です。

② 相手に対するリスペクト

僕の大学のコーチは長く僕の大学のコーチをしており経験豊富な方ですが、常に「相手をリスペクトしろ」と言います。

メジャーリーグではホームラン後に派手なバットフリップをする選手もいますが、少なくとも僕の大学では、それは相手へのDisrespect(無礼)に繋がるため禁止されています。

また、ホームラン後のベンチから飛び出してのパフォーマンスも同様です。勝っても負けても、相手を敬う姿勢が求められます。

③ 人間性

返事をする、話をしっかり聞く、仲間や周りの人への気遣い、感謝の気持ち。こういった当たり前のことをきちんとできる選手が評価されます。

皆さんの想像している通り、アメリカの野球は日本のように厳しく規律されているわけではありません。なのでコーチに対して大きな声でみんなで揃えて返事をするということもあまり見かけません。なんなら僕のチームでは返事をするのは数人しかいないです…。

しかし最近、コーチと個人的に話す中で「人として返事はするべきだ」「返事は全員にして欲しい」と言っていたのを聞いて、改めて日本で教わってきた礼儀や素直さの大切さを実感しました。

野球の技術だけでなく、「人としてどうあるか」が問われる世界です。

日本の野球で学んだことは無駄にならない

アメリカに来て感じたのは、日本の高校野球で教わるような

「礼儀・姿勢・人間性」は、決して無駄にならないということです。

僕の大学では練習後や試合後は必ずダッグアウトを綺麗にしろと言われますし、ケージで打った後は全てのボールを拾えと言われます。しかし実際それを実行しているのはほんの数人。ここで積極的に動けるかどうかが見られています。

むしろ、そうした部分こそがアメリカでも信頼され、評価される要素であると気づきました。野球の実力を伸ばすことはもちろん大切ですが、結局どこの国でも「人としてどうあるか」が大事だと強く感じています。

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